第1章 魔法のジャム

 第5話 桔梗ヶ原の葡萄
 まずは、一番おいしい、ナイアガラを生産している果樹園さんを探しました。

 おいしいナイアガラを作る条件は、日照時間が長い事、降水量が少ない事、土壌と空
気、水が清浄な事、ぶどうの栽培の歴史が古く、いい遺伝子をもつナイアガラが、その
土地に適した進化を遂げていること、そして、作り手のポリシーがなにより大切です。

その場所は、標高700m、松本平の南側に位置し標高が高く、日照時間が長い。西に北ア
ルプス連峰、東に南アルプス、木曽の山々に囲まれ、清浄な空気、水、そして、土に恵
まれ、明治23年(1890年)100年以上前から、ぶどうの栽培が行われてきた理想の地。

桔梗ヶ原



その名のとおり、桔梗は長野県塩尻市の花となっています。

桔梗ヶ原には、面白いことに、人がキツネに化かされる民話が伝えられています。
ここには、玄蕃之丞(げんばのじょう)と呼ばれるキツネが住んでいて、多くのキツネ
たちを従えて大々的に悪戯を働いていて、村の衆も困りはてていたとか。



むかしむかしのある夜のこと、その日は、嫁入りの一行が、桔梗ヶ原を通って、婿様の
家に向かっていたのですが、夜道もあって、なかなか辿りつきませんでした。

なんとか、婿様の家が見えてきたと安堵したのですが、まだ、明かりも遠いのに、聞こ
えてきたのは、飲めや唄えの大騒ぎ、てっきり、待ちきれなかった婿様が、やけをおこ
しているのだと思い、おおいそぎで、婿様の家に向かい、入ってみると、

なんと、そこには、白無垢衣装の花嫁に、紋付はかまの村の衆、なこうど様までうちそ
ろい、三々九度も、高砂も、つつがなくにおわって、大宴会の真っ最中?

遅れてきた花嫁が、「これ、わたしの婿になにをする」と声を上げると、ぴたっと止まっ
た祝宴の衆が、くるっと宙を舞ったかと思えば、なんと、きつねにもどって、一目散に
逃げ出していったそうな。



散々飲み食いされた婿の家の衆も、花嫁衆も、これには、そろって大笑い、演技のよさ
でよい余興、縁起もよかろうと、今度ばかりは、きつねも人も、めでたし、めでたし。





今では、桔梗が原といえば、ぶどうに限らず、おいしいフルーツの観光農園がたくさん
あってフルーツの季節には多くの人で賑わいます。

観光農園というと、なんとなく、味はどうなの? 高級品出荷用に作っているところに
はかなわないないんじゃないの? と思われる方もいらっしゃると思いますが、これは
誤解です。

フルーツが果樹についた状態で美味しく仕上げるには、流通専用農園以上の大変な手間
が必要になります。但し、もちろん、その農園主様のポリシーによりますが、私たちの
葡萄を提供して頂いた原農園さんは、人と自然にやさしい農業を目指し、園内において
除草剤の使用を一切禁止、農協の農薬使用基準の最低2割削減の低農薬で栽培、そして
最も大切なのは、自然に手を加えないこと。
葡萄を種無しにする薬(ジベレリン)や粒の肥大を促す薬(フルメット)などを使用せず、昔ながらの方法で栽培しています。

更に、原農園さんは「良い土から良い果物が収穫できる」と考え、土作りにもこだわっておられます。

魚の粉を使ったぼかし肥、これは有機肥料よりも即効性が高い肥料で原料には、山・田・畑・海のものをできるだけ多く取り入れます。そこに、山土や粘土資材を入れて作ります。

このぼかし肥と、米ぬかを使い土の中の微生物を増やし、力のある土から葡萄を育てておられます。



そんな、丹精こめて育てられた贅沢な葡萄をジャム工房狐の香りでは、おいしいジャムにさせて頂いております。